生成AIに触れてみる3日間 第2回

大阪学院大学准教授/大阪学院大学総合学術研究所研究員

岡野光洋 okano@ogu.ac.jp

今からやりたいこと

Image from Gyazo

  • こんなときにAIを使っています
  • こんなAIを使っています
  • AIの自分なりの使い方3選

こんなときにAIを使う

  • 語学学習、研究用途(プログラミングなど)
  • 授業の問題を作る、解かせてみる
  • アイデア出し、議論のたたき台
  • 日常のお悩み相談 etc.

AIはとくに学習データがたくさんある分野に強い

こんなAIを使っています

いくつか利用例を紹介していきます

例1 読書感想文

  • 読書感想文の書き方って難しくないですか?
  • 思ったことを素直に書けばいいと言われても…
  • 子どもにどう教えたらいいんだろう?

実演

読書感想文の書き方を教えて下さい

ChatGPT

例1のポイント

  • ざっくり質問でOK
  • あとから聞きたいことが思い浮かべば聞く
  • 慣れればプロンプティングの技術を学んでみる

例2 メールの文面

実演

ビジネス用のメールを作ってください。

  • アポイントの変更をせざるを得なくなった
  • 候補となる日程を3パターン提案したい
  • 送信先は何度か会ったことのある取引先なので、丁寧すぎずカジュアルすぎ ず

ChatGPT

例2のポイント

  • もうやり方は知っているけど、ちゃんとした形式に則って書きたい
  • 調べれば分かることだけど、細かなニーズに答えてほしい
  • 追加で注文したり、解説をお願いしたりもできる

例3 プログラミング

皆さんの中に同じ誕生日の人はいると思いますか?

実験してみます

Image from Gyazo

23人いれば、誰かと誰かの誕生日が同じになる確率が50%を超える

Image from Gyazo

誕生日のパラドックスを図示してください。横軸に人数をとり、縦軸に重複が現れる確率をとってください。pythonコードを書いてください

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import scipy.special
import matplotlib_fontja

# 誕生日のパラドックスにおける重複が発生する確率を計算する関数
def birthday_paradox_probability(n, total_days=365):
    # 重複が現れない確率
    prob_no_match = 1.0
    for i in range(n):
        prob_no_match *= (total_days - i) / total_days
    # 重複が現れる確率
    return 1 - prob_no_match

# 参加人数の範囲(2人〜100人まで)
n_people = np.arange(2, 101)

# 重複が発生する確率
probabilities = [birthday_paradox_probability(n) for n in n_people]

# グラフの描画
plt.figure(figsize=(10, 6))
plt.plot(n_people, probabilities, label="重複が現れる確率", color='blue', linewidth=2)
plt.title("誕生日のパラドックス", fontsize=16)
plt.xlabel("人数", fontsize=14)
plt.ylabel("重複が現れる確率", fontsize=14)
plt.grid(True)
plt.axhline(0.5, color='red', linestyle='--', label="50%の確率")
plt.legend()
plt.show()

グループに何人ぐらいいれば、その中の誰かと誰かの誕生日が同じになるかをシミュレーションしたいと思っています。pythonを使ってコードを書くことはできますか?

例3のポイント

  • 自分ではほとんどコードを書かなかった
  • 実際にエラーなく動いた
  • エラーがでたら、エラーメッセージをコピペ
  • 計算が合っているかは自分で確かめる
  • 1行ずつAIに解説してもらうと良い

AIの答えを理解するためにも自分で勉強しよう

AIの使い方まとめ

  • 疑問に思ったことはとりあえず聞いてOK
  • 回答を鵜呑みにしないこと。AIは平気で嘘を付く。自分の理解を超える回答はそのままにしない。ちゃんと勉強すること(AIに聞くもよし)
  • 「やろうと思えば自分でできるが、時間がかかる」をAIに代替してもらう
  • 自分にはない発想をもらい、自分で考えるきっかけにする

考えるのは人間の仕事

おわりに

これまでに学んだ話と重複するかもしれないが個人の感想として

  • 今後も既存の検索エンジンや書籍、論文を使ったリサーチの技法は無くならないが、AIによってそのあり方は大きく変わる
  • AIを作るスキル、AIを上手に使うスキルが求められる。また、AIには真似できない対人スキルが求められる
  • ビジネスやアカデミックの前線で戦う人は、AIスキルの有無で差がつくことは避けられない

作例

※内容は若干異なります